新しく仲間になりました
父と娘の愛情物語と言ってしまえばそれまでだが、娘が知的障害者である。実話を元に宅間孝行の原作と脚本、監督が社会派の堤幸彦、主演のマコ(知的障害者の娘)を貴地谷しほり、父を竹中直人、マコの恋人(?)を宅間本人が演じている。物語は最初にマコの死から始まる。知的障害を持つ娘と父がやっと居場所を見つける。自立支援を目指す知的障害者のグループホーム「ひまわり」でのドタバタと心温まる人間模様が観る者を強烈に引きつける。少なくとも私はそうであった。喜劇であると同時に観る者に非常に重いテーマを突き付けてくる。それは障害者とその家族がどうしたら生涯しあわせに暮らせるのか、ということである。竹中が演じる父が末期癌にかかり、余命三カ月と診断されてから、父の本当の苦しみが始まる。娘は施設に預けるが施設になじまず父の所へ帰ってきてしまう。
誰にも相談できず、父は娘の首を泣きながら絞め殺す。多くの障害を持つ親の共通した苦しみと思う。自分たちが亡くなった後、この子はどう生きていくのだろうか。そして、社会の理解の問題、性の問題、親の義務放棄の問題など、答えが見つからないが、見つける努力は必要であろうと改めて感じさせられた映画であった。
by hoshinooujisama2
| 2016-03-15 23:22